2019年 03月 20日
引っ越し前にジェノバへ小旅行 |
この間の冬のバカンスのお話です。
これから家の工事やミニビオファーム立ち上げ&陶芸で忙しくなりそうで、家族旅行もなかなかできなくなるかもしれません
今は引っ越しに向けて、何かと忙しいのですが、引っ越し先のブルターニュからだと、イタリア、スペインの国境が遠くなるのは悲しい。今回ここから車で行けるところでっということでジェノバに決定。
以前にリグーリア州のリビエラ海岸、西側とチンクエテッレやラ・スぺッチアは訪れたことがあったのですが、ジェノバは初めて。
アマルフィー海岸+ナポリ+ポンペイ遺跡というのを25年前から行きたいのですが、今回もお預けです。絶対いつか行かねばー。ナポリを見てから死ねという表現がありますが、もちろーん。
ポルトアンティコ、レンゾ・ピアノの建築群でなんとなくモダンな雰囲気プラスされた感じでしたが、やはり気になるのは歴史地区。 ちなみに360度見えるエレベーター、ビゴは故障中でした。水族館はヨーロッパで2番目に大きいという売り出し文句でも、日本の水族館のすごさを知っている子供たちにはそそられず軽くスルー。
オットーがしきりに日本の風景に似ていると言っていたのですが、後ろに山がそびえる港町、なるほど神戸あたりを思い出します。神戸の姉妹都市はマルセイユですが、ジェノバも加えては?
1000年以上そのまま現存?という歴史地区に短期アパートを借りました。
大男2人がすれ違うのは微妙・・・という、すごい細い路地ばかり。しかも迷路のように入りくんでます。
コロンブスの時代は衛生面でも治安面でもさぞかし凄かったんだろうと思わす想像していしまうのは、それなりの姿で現存されているから?
借りたアパートも道をはさんで向かいの建物がすぐそこっという、手に届くかっ?届かないか?という距離にあり、光も一日中入らない(と思う、というのも日中は出かけてましたので。)というのを体験しました。お向かいさんの窓は少しずれてますが、でも存在が十分感じられる距離です。
地図を片手に回っても迷ってしまうそんな中に、ものすごいおいしいジェラート屋さんや有名なチョコレート屋さんがひっそりたたずんでいたりするので、とても味のある深ーい街の印象です。
もっとゆっくり時間をかけてみたい街でもありました。
ジェノバで一番おいしいジェラート屋さん、プロフーモも、ひっそりした小路にありました。
評判通りの納得の味でした。
チョコレート、クリームタイプでないものは70%カカオで甘いものが苦手な大人向き。
貸しアパートの近くは、有名、無名なカフェがわんさかあって、とても危険な場所でした。
今回ノックアウトされたのは、カフェ コン パンナ。
なんでこんなにおいしいのかー? 感動!!! 今までジェラート一本の13歳の娘も同様はまってしまいました。
ジェノバ人は大のクリーム好き星人のようですね。カフェで観察していると、ジェラートのうえにこんもりと生クリーム追加だの、ブリオッシュに生クリームたっぷりサンドを注文だの。おばさんはお持ち帰り用に生クリームを買ってました。
大きいボールに山のようにある生クリーム、量り売りもしている模様です。こんなクリームがあったら、手作りケーキの仕上げ用やシンプルにイチゴにつけてー、なんて止まらなくなりそうです。
イチゴもこの季節フランスではスペイン産の大ぶり、しかし味がしないイチゴが出まわっているのですが、ここではシチリア産のイチゴが売られていて、自然の甘さが最高でした。
実際 このクリームに魅せられて、毎日同じカフェに通いました。いったんマイカフェを決めたら他に浮気をしないところがジェノバ人みたい?
こんな奥行きのないカウンターとテーブルに椅子3つというカフェは大繁盛。お兄さん一人でキビキビそつなくこなしています。さりげなく大理石だったり、ジェノバの繁栄の面影がそこかしこに見られます。
このカフェ コン パンナ、3ユーロなり。 ここに住んでいたら破産しそう。金曜日の午後はかなりの行列が。地元の人も毎日飲みたいのを我慢して、金曜日に自分のご褒美として飲んでいるのでは?と勝手に推測。
この生クリーム、なんとか再現できないかと企んでいるのですが、秘訣はなんなんだろう?どなたかご存知の方、ぜひご連絡ください。
ジェノバはほかの都市と比べて、そこまで派手に観光地化されておらず、そういうところも私にとって気に入ったポイントです。
ただ物価がパリほどではないのかもしれないけど?結構高いのでびっくりしました。港ということで、メルカートで新鮮な魚を期待していたのですが、限りなくパリに近い値段。市内のメルカート オリエンターレが特に高いのか?
観光客というよりは地元のおばちゃんたちがたくさんいましたが。
チンクエテッレ近くのラ・スぺッチアの市場では魚のスタンドが両側びっしり50-100メートル?も並んでいて、安く新鮮な魚に心踊ったのですが。まあこれも10年前の話で。
イタリアのお給料や経済、雇用問題を考えると、ちゃんと生活が成り立った行くんだろうかと、余計な心配までしてしまいます。
ジェノバといえばジェノベーゼソース。 フランスではソース ペストでないとなかなか通じませんが。やはり大理石でなくても乳鉢でするというのがポイントなんですね。
オートメーション化。これはいいアイデアかも。
たしかに手作りゴマ豆腐のやさしい味と共通してるような。
色も黄緑色だし、やさしい味がします。地元のパスタ、トロフィーエと一緒にいただきました。
プレーンタイプのフォッカチャにのせていただくのも美味しい。
うちはハンドミキサーでガンガン混ぜているせいか、めちゃくちゃ濃い緑色ですし、味もパンチがあります。本場ものと比べると、かなり粗野なかんじですが、うちのソースのほうが断然美味しいと家族全員一致。
まあどの家庭も、みんなそう思っているんでしょうけどね。
シーズンオフで小さな港沿いのレストランは閉まっていました。お腹をすかせた私たち、レストランがあるのかないのか微妙な海沿いの道をジェノバ方面に進むと、わいわいと込みに込み合っている大衆食堂を発見。
一皿6、7€とかの手ごろな価格。白ワインも頼んで家族4人で49ユーロ。
ネルヴィの大衆食堂 PIERO 21 Via Murcaroli 67 R GENOVA
滞在中こういうタイプの食堂をもっとたくさん試したかったです。デザートはなく、隣接のカフェでどうぞっというところもいい。
でもそのへんジェノバ人に負けず頑固なので、バスで戻って、例の歴史地区のマイカフェに直行です。
ジェノバから車で30分ほどのカモッリにも行きました。
市内ではなぜかカーナビが狂ってしまうんで、電車を使ったほうがよかったかも。
おまけに去年起きたモランディ橋陥落事故の影響か、ジェノバ周辺は道路は変更が多くて大変でした。
夏はジェノバからカモッリ行きの船が出ています。
夏のビーチはさぞかし込み合っているのでしょうね。
3月でしたが、かなり暖かかったです。水着で日光浴の人たちもちらほらと。
カモッリからポルトフィーネまで続く山道を歩きたかったのですが、さび付いた足で中心地だけでもキツかったので諦めました。
ジェノバからカモッリへ行く前にチーズフォッカチャで有名なレッコという町があります。
帰り道用に買ったのですが、オイリーかつハイカロリーで美味しかったけれど疲れた胃にはきつかった。
焼きたてのホカホカをいただくと、グンと美味しいのでしょうね。
最後の一日は新通りの貴族の館群と美術館にあてていたはずなんですが、午前中にさっくりと通りを見学しただけに。家族のやる気のなさを見て、こちらも一人で張り切っていられず、午後はジェノバ近郊のミニ チンクエテッレ、ボッカダッセに急きょ変更。
新通りの豪華な館は外観からして圧倒されます。豪華すぎて庶民の私たちには想像の域を超えてしまった。教会も同様、外目は地味でも豪華絢爛な内装は素晴らしいです。でも見るものが色々あり過ぎて目のやりどころのない13歳の娘は禅寺のほうがお好き。大きくなったら一緒に京都でお寺巡りをしたいものです。いつかきっと…。
風景の切り取った一部分は、確かにチンクエテッレと似ていますが、やはり全然違います。断崖に張り付くように建っている家並みが遠く船から見えると、美しくて感動してしまう!!! わざわざここまで足をのばすのなら、是非チンクエテッレに行くことをお勧めします。
庶民の私は、やはりこういうイタリアの風景のほうが落ち着きます。
行きのトンネルの数に辟易してしまった私たちは、帰り道 ジェノバからフランス国境まで何本あるか賭けてみました。オットーは38、わたしは55本。
娘が正確に数えてたつもりでも、だんだん怪しくなって…。でも105本はあったようです。
ジェノバの歴史地区で1000年の[負?]のパワーを吸い取った足は、帰った後はすぐに治りました。
でも別にその手のエネルギ―に敏感ではないと思う私。きっと気付かないところで、引っ越しに向けて疲れていたのか、はたまた単に年のせいか? でも春先という季節もちょうどいいし、ものすごく痛い足つぼでデトックスに励んでいます。
しかしカーナビも市内に入る前に狂いだし、使い物にならなかったのはなんだったのか?
いろいろ想像がたくましくなるのは、あの独特の街並みだからでしょうね。
ラ・スーペルバ[誇り高き都]と呼ばれたジェノバ、今読書中の塩野七海さんの十字軍に関する本でも、ジェノバ人の活躍が書かれています。
歴史がたくさん詰まっている奥深い街、1週間では足りません。もっともっと知りたい街でした。
by atelier-cuisine
| 2019-03-20 18:18
| うみ の旅